Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)」の成果事例を3つ紹介します。「ASC」がEC・通販事業者にとって有益なのは勿論ですが、【非物販のサイト】でも成果を上げられる事をご存じでしょうか?Web申込や資料請求をCVとする企業は必見のコラムです。
【目次】
1.Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)とは?
2.【改善事例】Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)で数値改善した生活雑貨EC
3.【悪化事例】Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)で数値悪化した生活雑貨EC
4.【改善事例】Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)で数値改善した非物販サイト
5.Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の事例について改善&悪化理由を考察
6.Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の事例についてまとめ
1.Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)とは?
Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ ショッピングキャンペーン(以下ASC)」とは、「商品販売」に特化した自動化キャンペーンです。
AIにより、最もパフォーマンスの高い広告を、獲得見込みの高いユーザーへ自動配信する事ができます。
※Metaビジネスヘルプセンター:Advantage+ ショッピングキャンペーンについて
ASCは、「オンライン売上の拡大を図るキャンペーン」の効率を最大化する事を意図したプロダクトです。
そのため、以前よりEC・通販事業者の注目度は高かったのですが、今回は「非物販のサイト」も含めた事例を3つ紹介します。
<補足>
ASCに関する情報は、過去のコラムもご参照下さい。
https://www.ecfs.jp/eckaizenlab/column-facebook-ads-advantage-shopping-campaign/
上記コラムでは、「従来のキャンペーンとの違い」や「メリット・デメリット」、「設定方法」などについて解説しています。
2.【改善事例】Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)で数値改善した生活雑貨EC
Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」で、数値改善に成功した事例をご紹介します。
【概要】
企業およびテスト概要は以下の通りです。
・企業:女性向けの生活雑貨メーカー
・商材:主力商品A
・テスト対象:従来のキャンペーン vs. ASC
・テスト期間:5日間
【結果】
ASCを利用する事で、CPAを約40%削減する事に成功しました。(Metaの管理画面上の数値)
・CVR:1%程度のまま大きな変化なし
・CPA:8000円 ⇒ 5,000円
※当初は2週間ほどの検証を予定していました。
しかし、検証開始5日で「ASCの成果が高い(MetaのAB検証上、優位性あり)」という判定になりました。
また、基幹システムのデータを確認したところ、「ASCによる新規CVの獲得貢献度」が高い事が明らかになりました。
ターゲットの品質を維持した状態でCPMコストを下げる事に成功し、予算内でより多くの新規顧客を獲得する事ができました。
3.【悪化事例】Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)で数値悪化した生活雑貨EC
Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」で、数値が悪化した事例をご紹介します。
前の章でご紹介した企業様において、他の商材(B・C)でもASCを配信してみました。
【概要】
概要は以下の通りです。
・企業:女性向けの生活雑貨メーカー
・商材:主力商品Aとは異なるほか商材「B」「C」
・先述の事例と同様の設定で、日予算のみ異なる
└ 前回:15万円/日
└ 今回:10万円/日
・期間:4日間
【結果】
数値改善に成功した商材Aと比較すると悪化したため、商材B・CのASC配信を「停止」しました。
(商材B・Cは既存キャンペーンが存在しないため、「商材AのASC数値」との比較になります。)
<商材B>
・CVR:1% ⇒ 0.5%
・CPA:8000円 ⇒ 28,000円 (3.5倍に高騰)
<商材C>
・CVR:1% ⇒ 0.7%
・CPA:8000円 ⇒ 32,000円 (4倍に高騰)
※検証期間について補足:
Meta広告のAIの特性上、一定期間(情報収集期間)は数値が大きく変動します。(※下図参照)
本事例では、「情報収集期間(7日~10日程度)」が終了する前に停止判断をしています。
本来は、機械学習中のため、情報収集期間が終了した後で数値が安定し、良化した可能性もあります。
しかし、当時はクライアント様の方針により継続できない状況だったため、停止判断となりました。
※Metaビジネスヘルプセンター:情報収集期間について
4.【改善事例】Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)で数値改善した非物販サイト
Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」で、数値改善に成功した事例をご紹介します。
前章までのEC・通販事業者とは異なり、Web申し込みをCVとする非物販の事業者になります。
【概要】
企業およびテスト概要は以下の通りです。
・企業:Web申し込みをCVとする非物販事業
・商材:デジタルサービスのサブスク決済
・テスト対象:従来のキャンペーン vs. ASC
・テスト期間:4日間
【結果】
ASCを利用する事で、CPAを40%削減する事に成功しました。(Metaの管理画面上の数値)
・CVR:0.6% ⇒ 0.8%
・CPA:40,000円 ⇒ 24,000円
※先述の事例1と同様に、
検証開始4日で「ASCの成果が高い(MetaのAB検証上、優位性あり)」という判定になりました。
5.Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の事例について改善&悪化理由を考察
ご紹介した3つの事例のうち、数値が改善したのが2つ、悪化したのが1つでした。
この違いについて、簡単に考察をしてみたいと思います。
・事例1:生活雑貨EC(商材A) ⇒ 改善
・事例2:生活雑貨EC(商材B&C) ⇒ 悪化
・事例3:非物販サイト(デジタルサービス) ⇒ 改善
【改善理由の考察】
「ターゲットを手動設定せずに、機械学習により見込みの高いユーザーへ自動配信された事」が数値改善の要因だと考えられます。
特に事例1に関しては、年齢や性別を限定せずに配信される事で、今まで取りこぼしていた層にもリーチし、CVを獲得できました。
・従来:35歳以上の女性のみに配信
・ASC:全ての年齢、男女ともに配信
【悪化理由の考察】
「広告素材」と「LP(誘導先ページ)」、それぞれのクリエイティブに問題があったと考えられます。
<広告素材について>
ASCでは、「多様な広告素材の利用」を推奨しています。
● 本数:15本以上の運用
● 見た目:類似バナーの利用を回避 ex.シーンや撮影アングルなど
● フォーマット:複数の展開 ex.静止画、カルーセル、動画など
しかし、当該事例では展開可能な素材に限りがあり、
本数は「10本程度」かつ、非常に「似通った見た目」の広告素材となってしまいました。
その結果、Metaの入札において高い評価を得る事ができずに、CPMが高騰⇒CPAが高騰した可能性が考えられます。
※Metaビジネスヘルプセンター:広告オークションについて
<LP(誘導先ページ)について>
「LPの低CVR」に引きずられるカタチで「CPAが高騰」しました。
LPのCVRが低かった要因としては、以下が考えられます。
● 商材B:LPが「1本」しかない
● 商材C:複数本あるが「季節外れ(ワンシーズン前)」のLPが主
ASCは非常に強力な広告プロダクトです。
しかし、複数のLPを用意できなかったり、季節に沿ったクリエイティブ展開が困難な場合は、数値悪化を招く可能性があります。
※事例2の検証結果について補足:
あくまでも「同一企業の別商材で運用中のASCと比較すると数値が悪化傾向だった」という点をご理解いただけると幸いです。
事例2(生活雑貨ECの商材B・C)は既存キャンペーンが存在しなかったため、「商材AのASC数値」との比較になりました。
違う商材との比較であるため(基準が異なるため)、厳密には「改善」や「悪化」という表現は適さないかもしれません。
6.Meta広告:Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の事例についてまとめ
いかがでしたか?
今回は、Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」における成果事例を3つ紹介しました。
ASCを利用できる企業様では、ぜひ運用してみる事をおすすめします。
Meta社によると機械学習の期間は「7日~10日程度」とされていますが、短期間で結果が明らかになるケースも少なくありません。
そのため、まずはトライ&エラーの気持ちで運用をスタートさせて、実際の成果を見て判断してみるのも有効かと思います。
ただし、機械学習(AI)の特性を正しく理解し、数値最大化につながる設定と運用を行う必要もあります。
具体的な運用ノウハウやポイントについて、またご紹介します。
それでは、次回のコラムでお会いしましょう。
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