Meta社が提供するAdvantage+ショッピングキャンペーン(ASC)での成果事例が増えています。AIにより自動で最適化された運用ができるため、効率的に成果をあげる事ができます。今回は、ASCがどのようなものか、そのメリット・デメリット、設定方法や運用時の心構えについて詳しく解説します。
【目次】
1.Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)とは?
2.Advantage+キャンペーン(ASC)のメリット・デメリット
3.Advantage+キャンペーン(ASC)の設定方法
4.Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)運用時の心構え
5.終わりに
1.Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)とは?

「Advantage+ ショッピングキャンペーン」(以下ASC)は、昨年にMeta社(旧Facebook)がローンチした新しい広告キャンペーンです。「商品販売」に特化した自動化キャンペーンですので、ECサイト・通販事業者さまは、必見です。
ASCは、従来のキャンペーンよりも進化した「機械学習モデル」を搭載しており、広告運用者の界隈では『Meta版のP-MAX(Google)』と呼ばれたりもします。
具体的には、「最もパフォーマンスの高い広告を、獲得見込みの高いユーザーへ自動配信する」特徴があります。
以下に、従来のキャンペーンとASCの主な違いをまとめました。
※Metaビジネスヘルプセンター│Advantage+ ショッピングキャンペーンについて

このように、ASCは従来のキャンペーンとは一線を画した特性を持っています。
次章では、ASCのメリットとデメリットについて深掘りします。
2.Advantage+キャンペーン(ASC)のメリット・デメリット

以下に、ASCのメリット・デメリットをまとめました。それぞれ、3つずつ紹介します。
【メリット】
1)従来のキャンペーンよりも効率的に成果をあげる事ができる。
この点は、Meta社の広告コンサルタントからも、多くの成功事例の共有を受けています。
当然全ての企業や業界に該当するわけではありませんが、弊社のクライアント企業においては、
軒並みCPA・CPOが20~40%改善されています。
ASCは、「最新のAIを採用している」というのが大きな理由だと考えられます。
※AIを活かすためのコツについては、後述します。
2)1つの広告セット内で「新規」と「既存」を分けて配信できる。
「新規」と「既存(カスタムオーディエンスによるリタゲ)」を分ける際、
従来は広告セットをそれぞれ作成する必要がありました。
ASCでは、1つの広告セット内で新規/既存を分けて予算設定できるため、配信の偏りを避けられます。
3)1つの広告セット内で「最大150本」のクリエイティブを入稿できる。
従来は1つの広告セットにつき「最大6本」のクリエイティブが推奨されていました。
※Metaビジネスヘルプセンター│広告数の管理について
ASCでは、可能な限り多くの広告を入稿する事(最低10本~)が推奨されています。
「ターゲティング」や「配信面」が自動でテストされ、優秀なクリエイティブが優先的に配信されます。
※Metaビジネスヘルプセンター│Advantage+ ショッピングキャンペーンについて
【デメリット】
1)細かな手動設定ができない。
手動で任意で設定できるのは、主に「日予算」と「国」だけです。
従来のキャンペーンで重視された「入札戦略」「オーディエンス」「配置」等は手動設定できません。
下図のように、「プリセットキャンペーン設定(固定)」となります。

2)結果に対しての過程や理由を把握できない
AIによって自動運用(最適化)されますが、以下の情報はレポートされます。
● ターゲティング:年齢と性別
● プラットフォーム:FB/IG等
● 配置:ストーリーズ、フィード等
● クリエイティブ:バナー/テキスト等
しかし、AIは「答え(結果)」だけを教えてくれるので、その点には注意が必要です。
何故、今回のような結果になったのか?という詳細な過程や理由は明かされません。
そのため、AIが導き出した「結果」の過程やプロセスに対して、いつでも納得できるわけではない、
という事を覚えておく必要があります。
3)初動はパフォーマンスが安定しない。
自動とは言え、最適化には「機械学習の期間(最低限のCVデータ)」*が必要です。
そのため、初動(機械学習スタート直後)は、パフォーマンスが不安定になる可能性があります。
*最適化の目安:
Meta社によると、目安期間は「7日程度」だとされています。
CVイベントは、広告セットごとに「50件/週」もしくは、「15件/日」が最適化の目安とされています。
※Metaビジネスヘルプセンター│情報収集期間について
以上が、ASCのメリット・デメリットです。
次章では、基本的な設定方法について紹介します。
3.Advantage+キャンペーン(ASC)の設定方法

ASCの設定手順を紹介します。
※注意※
一部アカウントでは、ASCの設定ができない事を、予めご了承ください。
詳細は明かされていませんが、利用には「月間広告予算400万円~」等の、一定条件があると思われます。
Meta社からの一部情報によると、2022年8月より”段階的に”提供されているようです。
そのため、設定できる/できないアカウントを、Meta社が試験している可能性も考えられます。
【1.キャンペーンの目的】
Metaの広告マネージャから、新しいキャンペーンを作成します。
キャンペーンの目的で「売上」を選択します。(※下図参照)

【2.キャンペーン設定】
キャンペーン設定の画面で、「Advantage+ ショッピングキャンペーン」を選択します。(※下図参照)

【3.そのほか、任意で設定】
あとは、画面の指示に従って、任意で設定しましょう。
・コンバージョン
・オーディエンスの地域*
・予算と掲載期間…etc.
*下図の通り、2023年5月23日現在では、「詳細地域」を設定できません。

【参考:新規ターゲットと既存ターゲットを分けて予算設定する方法】
広告セットの編集画面で、「アカウント設定へ移動」をクリックします。(※下図参照)

遷移先の広告アカウント設定の「Advantage+ ショッピングキャンペーン」にて、「既存の顧客」として指定したいオーディエンスを選択し、「実行」を押します。(※下図参照)

広告セットの編集画面へ戻り、「予算と掲載期間」の「既存顧客の予算上限」にチェックを入れます。
1~100までの任意の値を入れる事で、「新規」と「既存」の予算割合を設定できます。 (※下図参照)

※既存ターゲットの予算を「0」にすると「除外扱い」になります。
以上が基本的な設定方法です。
ASCを最大限に活用し、成果をあげるためには、設定後の「運用時の心構え」を理解する事が重要です。
次章で確認しましょう。
4.Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)運用時の心構え

ASCを運用する上で絶対に外せない「心構え」を、3つ紹介します。
【1.機械学習の期間を理解する】
ASCは、AIにより運用が自動最適化されますが、最初は機械学習の期間を経る必要があります。
先にも述べましたが、Meta社によると、目安は「7日程度」だとされています。
※あくまで目安ですので、運用状況・予算により「期間」は前後します。
そのため、最初のうちは短期的な結果に一喜一憂せずに、「AIが学習を積む時間」を与える事が重要です。
【2.クリエイティブの質を高める】
AIは与えられたクリエイティブの中から「優秀( or マシ)」な素材を選び、配信します。
仮に「ポンコツな素材」だらけの中に、「まぁまぁな素材」があった場合、AI的には後者が「優秀」だと判断されます。
「150本もクリエイティブを入稿できる!」と、「量」のメリットに目が行きがちですが、「質」も重要だと認識しましょう。
【3.実成果をもとに分析⇒改善する】
AIにより自動最適化される数値は、あくまでも「管理画面上の数値」に過ぎません。
デジタルマーケティングでは、実成果である「事業の売上貢献」をもとに広告パフォーマンスを評価・改善する事が重要です。具体的には、CTRやCPAだけでなく、媒体別の「実売上」や「LTV」も定期的に分析するようにしましょう。
以上がASC運用時の心構えです。
これらを理解し、効果的なデジタルマーケティングを実現しましょう。
5.終わりに

いかがでしたか?
今回は、Meta社が提供する新しい広告サービス「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」について紹介しました。
ASCでは、AIによる自動最適化機能を活用した、効率的な広告運用が可能です。
一方で、設定の制約や分析の難しさなど、注意すべき点も多いです。
デジタルマーケティングは日々進化しています。
その流れについていくためにも、常に新しい知識を学び、自分のビジネスに適用していく事が重要です。
その一環として、ASCを上手く活用し、ビジネスの成長を促進させてください。
本コラムが、ASCの理解と効果的な運用に役立てば幸いです。
それでは、また別のコラムでお会いしましょう。
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