子育てとキャリアは両立できるのか。
IBF NewsRoomでは、「ママ社員インタビュー」として、産休・育休を経てIBFで働き続ける社員のリアルな声をお届けしています。
第一回目のSさんに続き、今回はHさんにお話を伺いました。
【ママ社員インタビュー①|S氏】「復職は迷いませんでした」——SさんがIBFを選び続ける理由
Hさんは、3人のお子さんを育てながら、現在もIBFで在宅勤務を続けています。
1人目の出産時は、IBFに入社してまだ1年ほど。
当時は分からないことだらけの中で、目の前の業務に必死に向き合っていたと言います。
そして、復職について伺った際、Hさんが繰り返し話されていたのが、「自分のことを理解してくれている環境だった」という言葉でした。
なぜ、HさんはIBFで働き続けているのか。
出産前の働き方、産休・育休中の不安、復職直後のギャップ、そして現在の家庭と仕事のバランスまで、リアルに伺いました。
■ 3人の子どもを育てながら、在宅で一連の業務を担当
――まずは現在の働き方について教えて下さい。
現在は在宅勤務をしています。朝10時に業務を開始して、17時から17時半頃に一旦業務を中断します。その後、対応すべきことがあれば対応する形です。
――現在の担当業務についても教えて下さい。
現在は主に、○○社様のSNS広告運用に関する業務を担当しています。広告の出稿、運用調整、クライアント様とのコミュニケーション、ミーティングの準備や進行など、一連の業務に対応しています。
――お子さんについて伺ってもよろしいでしょうか?
はい、3人います。長男が中学2年生、長女が小学4年生、次男が小学3年生です。
■ 入社1年目で産休へ。分からないことだらけの中で必死だった
――1人目のお子さんは、IBFに入社してからの出産だったのでしょうか?
はい。全員、IBFに入社してからの出産です。IBFには2011年に入社しました。入社して1年経たない2012年の年末前に、長男の出産を機に産前産後の休暇を頂きました。
――出産前はどのような働き方でしたか?
本当に必死に働いていました。当時のIBFのメイン事業は、「EC事業者様向けの自社カート提供事業」でした。私はその運営事務局でサポート窓口の業務を担当していました。ECカートの改修に関するお問い合わせや、不具合のご相談への対応が中心です。
厳しいご意見を頂くことも多く、状況確認、担当営業や開発チームとの連携、不具合修正後のテスト、クライアント様へのご報告まで、一連の対応を行っていました。
――当時のキャリア観はどうでしたか?
正直、将来の見通しを持つ余裕は全くありませんでした。
入社してから分からないことだらけで、「最悪、死ななければ良い」という感覚で、とにかく目の前の課題に対応していました。事業者様に機会損失がないようにECカートを提供しなければならないという一心でした。将来どうなりたいかというより、まずはその日その日を必死に乗り越えていた感覚に近かったです。
■ 仕事から離れる不安。「積み上げたものがリセットされる」感覚
――産休に入る際、不安はありましたか?
ありました。入社以来、必死に取り組んできたので、たった1年ではありますが、これまで積み上げてきたものが一度リセットされてしまうような不安が強くありました。
出産に対する喜びや嬉しい気持ちと同時に、仕事から離れてしまうことへの戸惑いもありました。複雑な気持ちでしたね。
――引き継ぎに関する不安もありましたか?
引き継ぎについては、妊娠して安定期に入る前からつわりが非常にひどく、2週間ほど会社に行けない時期がありました。体調が悪化したため、周囲の方から「引き継ぎはいいから」と言って頂き、引き継ぎらしい引き継ぎがないまま、他の方々が業務を対応して下さりました。
当時は周囲に助けて頂いた一方で、「自分の業務を、他の人が分かる形で整理・共有できていなかった」という感覚が強く残り、後になってから、日頃から業務を整理しておくことの重要性を実感するようになりました。
■ 「理解してくれている環境」だった。だから復職に迷いはなかった
――復職にあたって、他社への転職に迷うことはありましたか?
他社を検討するなどの迷いは全くなく、IBFに復職するものだと思っていました。
――なぜ、IBFへ戻ることに迷いがなかったのでしょうか?
1年足らずの期間でしたが、休暇に入る前に社内の方々と密接な関係性が築けていたと感じていたからです。自分のことを理解してくれている環境以外の場所で、一から探して復職するということは考えられませんでした。保育園が決まったら、自然に復職するという感覚でした。
――「自分のことを理解してくれている環境」というのは、Hさんにとってかなり大きかったのですね。
はい。かなり大きかったと思います。
実はIBFに入社する前、海外のプリミティブアート(アフリカの伝統的・民族的な造形物)を扱う会社に3〜4年ほど勤めていました。その会社では、新しい部署を立ち上げようとしていたのですが、自分の仕事の進め方がうまくいかず、だんだん会社に居づらくなってしまったんです。
――かなり大変な経験ですね。
はい。ある時、上司から「どんなスタンスで仕事をしているのか」と聞かれて、「仕事だから一生懸命やっています」と答えたことがありました。でも、その言葉が「仕事だから=惰性だから」と受け取られてしまいました。
もちろん、私はそんな意味で言ったわけではありません。ただ、自分の考えや姿勢をうまく伝えられず、真の理解を得られなかった感覚が強く残りました。
――その経験があったからこそ、IBFで感じた「理解してくれている感覚」が大きかったのですね。
そうだと思います。IBFでは、私がどういう人間かを、ある程度分かってくれている感覚がありました。仕事はハードでしたが、当時は密なコミュニケーションがありました。飲み会も多く、仕事以外の場面でも一生懸命に関わって下さるメンバーが多かったという感覚があります。
また、仕事に必死に向き合ってきた時間も、自分の中では大きかったです。当時の責任感や、関係者と連携しながら課題解決を進める力は、自分の中で養われたと感じていました。それを活かしたいという思いもありました。
■ 復職直後は「また何もわからなくなってしまった」
――長男の出産後、どのくらいで復職されたのですか?
長男の時は、なかなか保育園が決まらず、1歳半のタイミングで職場復帰しました。
――実際に復職してみて、どうでしたか?
1年半という期間は、かなり久しぶりに感じました。戻った職場は、組織体制や業務の進め方、周囲の状況が大きく変化していて、まるで「新しい環境」に入ったような感覚でした。以前は自然にできていたことにも戸惑う場面が多く、復帰直後は分からないことだらけの状況から再スタートするような印象でした。
――その感覚はどのくらい続きましたか?
割と根深かったように思います。クライアントも以前とは異なり、組織の構成メンバーも新しい方が多く、「初めまして」という感覚に近かったように思います。しばらくは、「以前はできていた気でいたけれど、私は何もできていなかったのだな」と感じて、呆然としていました。
■ 2人目以降で変わった不安。仕事よりも、子どもの体調との両立
――2人目のお子さんの時は、復職までどのくらいでしたか?
長女の時は、生後4ヶ月のタイミングで復職しました。
――1人目の時と比べて、不安の中身は変わりましたか?
2人目の時は、仕事面での不安はあまり感じていませんでした。ただ、長女の感染症に対する抵抗力がまだ弱く、入院することもありました。そのため、長女の体調面と業務との両立において、復帰後に不安定な状況や不安はありました。
――3人目の時はいかがでしたか?
3人目の時は、産休や育休は取得しませんでした。制度自体はありましたが、当時は十分に業務を引き継ぐ体制が整っておらず、現実的に休暇を取るという選択が難しいと自身で判断しました。
また、過去の経験から、他の方へ引き継ぐためには、自分の業務を「相手に伝わるように言語化する」必要があることも分かっていました。
ただ、当時の自分自身も、業務の整理や言語化、属人化を防ぐための準備が十分にできていたとは言えませんでした。お腹に子どもがおり、尚且つ上の子どもたち2人を育児しなければならない状況で、その整理や引き継ぎを一気に進めるよりも、自分としては休暇を取らずに、自身で対応した方が現実的だと判断しました。
――かなり大変だったのではないでしょうか?
はい。ただ、産後は子どもたちを連れて実家へ戻り、ミーティングや業務がある時間は両親に子どもを見てもらうなど、周囲のサポートを受けながら対応していました。
■ 「やらない」「できない」を決める。今のバランスの取り方
――現在、在宅勤務を続ける中で、工夫していることはありますか?
最近になってようやく、「やらない」「できない」という領域を決めるようになりました。仕事と家事・育児・家庭のすべてを100%で頑張るのではなく、合計が100%にならない日があっても良いと考えるようになりました。
――具体的には、どのように生活されていますか?
17時から17時半には業務を終わらせ、それ以降は基本的にパソコンを開きません。その後は夕食を作り、家の中を整えます。朝は掃除のルーティンをこなして、家の中を整備する。とてもシンプルなルールです。最低限、家庭で整えておくべきことは崩さないようにしています。
■ 家庭も「整える」。子どもたちと役割を分ける現在のスタイル
――現在のバランスに至る上で、明確なきっかけはありましたか?
家事を楽にするために家をリフォームし、家庭環境を整えたことが大きかったです。家族が生活しやすい環境を整えることが一番の目的でしたが、どうせやるなら家事の負荷が軽減できる仕組みを取り入れようと考えました。リフォームをしてから、仕事においても家庭においても、自分の環境をある程度きっちり整えることが重要だと強く感じるようになりました。
――家庭の中でも、役割分担をされているそうですね。
はい。子どもたちが大きくなってきたことも大きいです。今は、中学2年生の長男をリーダーとして、それぞれに役割を持ってもらっています。長男はトイレ掃除、長女は洗面所掃除、次男は玄関掃除です。役割としてお願いしたことで、それぞれが「自分の領域を完璧にこなす」という意識を持つようになりました。
――お手伝いもお願いされるのですか?
はい。
「お母さん、まだお仕事が終わっていないから、お風呂掃除やってくれる人?」
「洗濯ものが山盛りです。誰かお手伝いしてくれますか?」
「長男がリーダーだ。みんなで協力して〇〇をしてくれますか?」
というように声をかけています。もちろん、兄妹弟で小競り合いもあります。ただ、長男が5歳で、長女が1歳、次男が0歳だった頃と比べると、本当に助かるなと感じます。
――「お母さんはやりません」と宣言する日もあるそうですね。
あります。
「お母さん、まだお仕事が終わっていないから、今日の夕飯はデリバリーでOK?」
「お母さん、もう寝ます」
という日もあります。全部を自分で抱えるのではなく、できない日はできないと言うようになりました。
■ 制度だけでは成り立たない。必要なのは、日頃から整えておくこと
――IBF側のスタンスや仕組みで、助かったと感じることはありますか?
在宅勤務への移行がスムーズにできたことです。私はコロナ禍の前から在宅勤務をしていました。そのため、コロナ禍に入っても環境の大きな変化を感じることなく過ごせたことは非常に大きかったです。
また、1人目の出産時、私が「やる・やらない」の判断が下手であることを周囲の方が理解して下さっていたのか、無理やりにでも仕事を引き剥がしてくれました。つわりで体調が不安定な中で代わって頂いたことは、非常に助かりました。
――今後、IBFとして改善できる点や、次の世代に必要だと思うことはありますか?
制度だけがあっても、それを適切に運用できる体制や、周囲のサポートがないと成り立たないと感じています。特に出産は、女性にとって体型や気持ちの変化が非常に大きいものです。だからこそ、次のメンバーが安心して出産に臨めるような環境があると良いと思います。
――そのためには、具体的に何が必要だと思いますか?
「日頃からベースを整えていくこと」だと思います。いざ休暇を取るとなってから急いで引き継ぎを始めても遅いので、普段からチーム内で属人化しがちな業務を明文化し、業務一覧リストをまとめておくことが重要です。
また、仕事の進捗やスケジュール管理も、チーム内で逐一共有していく必要があります。お互いに負荷が集中する時期があるからこそ、「誰かが抜けても回る状態」を日頃から作っておかなければならないと思っています。制度だけではなく、普段から整えておくこと。その積み重ねがないと、実際には運用できないのだと感じています。
■ 分からないことを、不安に思わなくていい
――最後に、今後IBFに入社を検討している方や、キャリアに悩んでいる方へメッセージをお願いします。
育児も仕事も、全部を完璧にやろうとしなくて良いと思っています。私自身、最初からうまくできていたわけではありませんし、今でも試行錯誤の連続です。だからこそ、「できないこと」や「分からないこと」がある前提で、周囲と会話をしながら進めていくことが大事なのではないかと思っています。
また、制度があることももちろん大切ですが、それ以上に、普段から周囲とコミュニケーションを取り、お互いに支え合える状態を作っておくことが、とても重要だと感じています。IBFには、そうした会話や関係性を大切にする文化が、昔からあるように思います。初めは分からなくて当然ですし、分からないからこそ質問もすると思います。新しいことを始める時に、「分からないこと」を必要以上に不安に思わなくても大丈夫だと、お伝えしたいです。
■ 編集後記
今回、ママ社員インタビューの2人目としてHさんにお話を伺いました。SさんとHさんに共通していたのは、「全部を完璧にやろうとしない」という割り切りの姿勢でした。Sさんは「自分のキャパは100」と決め、それ以上は抱え込まない。Hさんは「やらない」「できない」を決め、仕事と家庭の境界線を明確にする。考え方は違っていても、「無理を前提にしない」という点は共通しているように感じます。
その中でも、Hさんを象徴していた言葉は「整える」でした。仕事も、家庭も、環境も、日頃から整えておく。そして、それを自分一人だけで抱え込まず、家族も含めて一緒に整えていく。
子どもたちの役割分担の話をされていた時に、「子どもたちへの感謝」を自然と言葉にされていた姿も印象的でした。
今回お二人に取材をさせて頂いて強く感じたのは、今のIBFの働き方や環境は、「決して当たり前に存在しているものではない」ということです。制度も、文化も、空気感も、誰かが積み重ねてきた結果として今がある。今回お話を伺ったSさん・Hさんをはじめ、これまでIBFで働いてきた方々が、一つ一つ積み重ねて下さったからこそ、今の環境があるのだと実感しました。
次回は、Sさん・Hさんを支える立場でもあるMさんにお話を伺う予定です。現場で働くママ社員のリアルだけでなく、会社や組織として、どのように向き合い、どのような環境をつくろうとしているのか。また違った視点から、IBFの考え方をお届けできればと思います。