【IBFの沿革|後編】EC総合支援から、AI時代の「判断」と「再現性」へ │デジマログ

前編では、IBFがSEO専門会社として創業し、集客・成約・運営・リピートへと支援領域を広げてきた流れを紹介しました。

【IBFの沿革|前編】SEO専門会社として始まり、総合支援へ舵を切るまで

後編では、その後のIBFがどのような意思決定を重ねながら、現在のAI時代におけるデジタルマーケティングの在り方や支援の形へとつながっていったのかを整理します。

 

 

2009年、IBFはECシステムと効果測定ツールの提供を開始しました。

当時のGoogleアナリティクスは、現在ほど柔軟な効果測定ができるものではありませんでした。
そのため、クライアント様の環境や測定したいテーマに応じて、自社の効果測定ツールとGoogleアナリティクスを使い分けながら提案していました。

また、既存クライアント様からの要望をきっかけに、オリジナルECシステムの開発にも着手します。

当時、IBFが感じていた課題は明確でした。

マーケティングに必要な機能を備えた、理想的なECシステムが少ない。

売上を伸ばすためには、単に商品を並べるだけでは不十分です。
計測、改善、運用、リピート施策まで見据えた仕組みが必要でした。

そこで、IBFはオリジナルECシステムと、他社ECシステム・ASPカートを、クライアント様の目的に応じて提案できる体制を整えていきました。

ただし、すべてを自社で整えることは簡単ではありません。

インフラ、セキュリティ、運用。
一つひとつを自前で整備する中で、当時はAWSを利用していましたが国内にはありませんでした。米国での契約を進めたものの、契約エリアを誤り、想定以上に重く、遅くなるという苦い失敗も経験しました。

理想を掲げるだけではなく、自分たちで作り、失敗し、改善する。
この積み重ねが、IBFの「システム力」と「マーケティング力」をつなぐ土台になりました。

 

 

2010年から2011年にかけて、IBFはEC総合支援サービス『ECフルサポート』を提供開始します。

これは、EC事業の継続的な成長に必要な要素を一気通貫で支援するサービスです。

・集客
・成約
・リピート
・ECシステム
・制作
・運営

いわば、ECに必要な「コト」と「モノ」を妥協せずに提供する体制です。

前編で触れた通り、IBFはSEO専門会社として創業しました。
しかし、集客だけでは不十分でした。

その後、成約対策に取り組み、運営代行を行い、リピートを学び、完全成果報酬にも挑戦しました。

その一連の経験を経て、『ECフルサポート』という形にたどり着きました。

一方で、支援領域が広がるほど、社内負荷も増していきました。

「量」を追いかけるだけでは、「質」を保てない。
成果に向き合うためには、関わり方そのものを見直す必要がある。

そう考え、IBFは支援数を絞り、「1業種1社まで」といった方針も含め、「規模」よりも「質」を重視する支援へと切り替えていきました。

 

 

2012年には、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しました。

ECシステムや顧客情報を扱う以上、情報セキュリティは避けて通れません。
適切にリスクアセスメントを行い、第三者による審査を受けることで、情報管理体制を強化しました。

同時に、ECシステムパッケージのサーバをプライベートクラウドへ変更。

マーケティングだけでなく、システム、インフラ、セキュリティまで含めて支援する体制を整えていきました。

(当時の出来事)
東京スカイツリーが開業し、ロンドンオリンピックも開催されました。

社会全体が新しい象徴や技術に注目する中で、IBFもまた、裏側の基盤づくりを着実に進めていました。

 

 

2014年には、予防医学事業の支援を開始します。

国内最大手の予防医学企業に対して、健康診断予約システムやストレスチェックシステムなどの開発・運用支援を行いました。

これを機に、ECシステム構築で培ってきたノウハウを活かし、Webシステムの開発にも支援領域を広げていきます。

ECと予防医学は、一見すると離れた領域に見えます。
しかし、実際には共通する部分も多くあります。

ユーザーが迷わず使えること。
情報が正しく管理されること。
運用側が継続的に改善できること。

マーケティングとシステムを切り離さずに考えるIBFの姿勢は、この領域でも活かされていきました。

 

 

2016年以降は、Webマーケティング支援ツールの開発や協業も進めていきます。

たとえば、

・自社・競合サイトの検索ワード連動型広告の出稿状況を自動監視するツール
・自社開発による(当時は)AI(バンディットアルゴリズム)を駆使したABテストツール
・CPA・CPO高騰に悩む企業向けの集客・新規顧客化のコミュニケーションツール
・効果測定ツールと分析サポートを組み合わせた業界初の広告効果改善サービス

などです。

広告費を使えば成果が出る。
サイトを改善すれば成果が出る。
ツールを導入すれば成果が出る。

現場は、そう単純ではありません。

大切なのは、施策やツールを単体で見ることではなく、
何を測り、どう判断し、次に何を変えるのかまでつなげることです。

この時期の取り組みは、後の「クリエイティブ資産化」や「施策履歴の管理」にもつながっていきます。

  

 

2020年以降、社会環境は大きく変わりました。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、EC需要は急速に高まりました。
同時に、SNSや動画を含むデジタル接点も一気に広がりました。

一方で、広告環境は厳しくなっていきます。

・CPA、CPOの高騰
・指名顧客の獲得効率悪化
・広告改善の打ち手が見えにくい状態
・KPIだけを見た投資判断(とそれによる事業シュリンク)
・データやシステム導入そのものが目的化するDX

こうした課題が、多くの現場で見られるようになりました。

広告を止めるわけにはいかない。
しかし、強化すればするほど効率が悪化する。
データはあるのに、判断に使い切れない。

この状況に対して、IBFは研究開発と体系化を進めていきます。

 

 

IBFでは、売上構成要素から逆算し、マーケティング施策の優先順位を決めるための考え方を体系化してきました。

その一つが、『96テーマ』の整理です。

売上を構成する要素を分解し、どこに課題があり、何から着手すべきかを判断できるようにする。
これは、感覚や経験だけに依存しないための取り組みです。

また、広告素材やテスト詳細の履歴を管理し、『クリエイティブを資産化』する考え方も進めています。

一度作って終わりではなく、
何を試し、どう反応があり、次にどう活かすのか。

施策の履歴を積み上げることで、時間の経過とともに勝率を高めていく。
これが、IBFが考える『ストック型マーケティング』の一つです。

さらに、成長企業の取り組みを参考に、マーケティング施策を立体的に捉えるために独自の『5段階モデル』(5階層ピラミッド)も体系化しました。

点ではなく、線で連動させる。
単発施策ではなく、積み上げる。
属人ではなく、いつでも誰でも同じような判断ができる形にする。

この考え方が、現在のIBFの支援の土台になっています。

 

 

2025年以降、IBFは生成AIを中心に、デジタルマーケティング業務に活用できるAIツールの評価・研究を進めています。

AIによって、情報収集、分析、文章作成、施策案の整理など、多くの業務が効率化され始めています。

しかし、AI時代に重要になるのは、AIを使うことそのものではありません。

何を目的に使うのか。
どのデータを信じるのか。
どの判断を人が行うのか。

ここが曖昧なままでは、AIを導入しても、現場の分断は解消されません。

企業・事業の成長に必要な「選択・実行・結果」が分断されたままでは、AIもデータも十分に活かせない。

また、現場では、

ツールを導入すること自体が目的化してしまったり、
外部に任せることで判断そのものが見えなくなってしまったりと、

「便利になったはずなのに、成果につながらない」という状況も少なくありません。

AIやツールはあくまで手段であり、
それ単体で成果を生み出すものではありません。

そのため、

・何を見ているのか
・なぜその判断をしているのか
・どこに優先順位を置いているのか

といった「思考の部分」が、これまで以上に重要になっています。

こうした前提のもとで、IBFでは、

・正しいデータ管理と活用を支える『IBF AIサーバー』
・デジタルマーケティングスキルの底上げを支援する『Digimy』

を通じて、「経営」「戦略」「デジタルマーケティング」を連動させる支援を進めています。

また現在は、

・IBFが支援に入りながら、思考や判断のプロセスを共有していく形
・仕組みやツールを通じて、自社で再現できる状態を作る形

の両方での関わり方を行っています。

外部に依存するのではなく、
自社の中で判断できる状態をどう作るか。

これもまた、これまでの延長線上にあるテーマです。

 

 

もう一つ、明確になってきたテーマがあります。

それは、「広告との向き合い方」です。

デジタル広告は、非常に有効な手段です。
しかし同時に、時間の経過とともにコストが上昇する構造も持っています。

競合の増加や、AIによる入札最適化の高度化により、
結果として「今年が最も安い」という状態が続いていきます。

この環境の中で、広告だけに依存し続けることには限界があります。

だからこそ、

・一過性の施策で終わるもの
・繰り返し資産として積み上がるもの

を分けて考える必要があると捉えています。

広告を否定するのではなく、
広告に過度に依存しない状態をどう作るか。

そのための取り組みとして、

・情報発信(PR・ニュースルーム)
・SNS・仲間づくり
・顧客との関係構築
・データの蓄積と活用

など、時間とともに価値が積み上がる活動にも力を入れています。

 

 

2025年時点で、IBFの上位80%の企業における平均継続期間は120ヶ月に達しました。

これは、短期的な施策だけで積み上がる数字ではありません。

集客だけでもなく、広告だけでもなく、システムだけでもない。
事業に必要な要素を理解し、連動させ、継続的に改善してきた結果だと捉えています。

IBFの後編の歩みを整理すると、

・2009年:ECシステム、効果測定ツールの提供
・2010〜2011年:ECフルサポートの提供
・2012年:ISMS取得、プライベートクラウド構築
・2014年:予防医学領域への展開
・2016年以降:Webマーケティング支援ツールの開発・協業
・2020年以降:広告環境の変化に対応した研究開発と体系化
・2025年以降:AI、データ、人材育成への展開

という流れになります。

その中で一貫しているのは、
「分断されたままでは、成果は安定しない」という考え方です。

IBFはこれからも、トレンドに流されるのではなく、
現場で起きている課題と向き合いながら、成果を生み出すための仕組みを考え続けていきます。