ITP問題 → アクセス数の9割以上に影響!?【GA(UA版)】

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ITP問題 → アクセス数の9割以上に影響!?【GA(UA版)】

「ITP問題」を筆頭に、各社各国が「Cookie規制」を強めています。今回は、2023年7月の廃止が予定されている「ユニバーサルアナリティクス(UA)」での測定結果をもとに、「規制の影響」を調査しました。本コラムがネット広告を利用する事業主様と支援会社様のヒントになれば幸いです。

【目次】
1.クッキーレス時代
2.ITP問題の現状
3.【調査結果】ユニバーサルアナリティクスにおけるITP問題の影響
4.【参考】GA4は「クッキーレス」と言うが実態は…
5.終わりに

1.クッキーレス時代

クッキーレス時代

1994年に開発された『Cookie(クッキー)』は、IT技術の発展とともに、2000年代から広く使われ始めました。

例えば、あるサイトで「商品A」について調べたのちにYouTubeで動画を再生すると、「商品A(または類似品)」に関する広告が出てきてビックリした、というような経験をお持ちの方も多いかと思います。
これはCookieの技術を活用したものです。

Cookieとは、WebサーバーがPCやスマホに保存する小さな「データファイル」の事です。
Cookieについておさらいをしたいという人は、まずはこちらをご覧ください。
※今さら聞けない『Cookie』とは?

最近しばしば耳にするようになった「Cookieレス」という言葉。
(「ポストCookie」とも言われています。)

その名の通り、「Cookie」が「レス(無くなる)」という事ですが、
・「個人情報の保護やプライバシーの尊重って大事だよね!」
・「Cookieで個人を追跡するのは問題があるよね!やめようよ!」
という考え方をベースにした、「Cookie利用に関する規制」を指します。

ネット広告における「Cookie規制」の影響としては、
主に「ユーザーのトラッキング」と「正確な効果測定」が出来なくなる事が挙げられます。

2.ITP問題の現状

ITP問題の現状

例えば、Appleが開発するブラウザの『Safari(サファリ)』では、2017年から『ITP:アイティーピー(Intelligent Tracking Prevention)』と呼ばれる仕組みが搭載され、段階的にCookieを規制してきました。(※下図参照)

ITP、iOSアップデートの変遷

 

その結果、2020年時点で、

● 「3rd Party Cookie」は廃止され、
● 「1st Party Cookie」の有効期限は「最大7日」までとなりました。

つまり、「iOS内」では、「最後のページ操作から7日間を超えるトラッキング」は正しく測定できません。
※Appleのソフトウェアエンジニア「John Wilander(ジョン・ウィランダ―)氏」によるブログ記事での発表

3.【調査結果】ユニバーサルアナリティクスにおけるITP問題の影響

【調査結果】ユニバーサルアナリティクスにおけるITP問題の影響

前述した「ITP問題」を筆頭に、「Cookie規制」が厳しくなっていますが、その「実際の影響度合い(深刻さ)」については、未だに不確かな部分があります。

そこで、従来のGoogleアナリティクスである『ユニバーサルアナリティクス(UA)』での測定結果をもとに、「規制の影響度合い」を調査してみました。

【調査対象と仮説】
● ユーザー端末:「iOS」のみ
⇒Safariに搭載された「ITP」の影響を調べるため

● 期間:「2019年」~「2022年」
⇒規制が最も強化された「iOS14(2020年)前後」を比較するため

● セッション間隔:「7日以前」と「8日以上」
⇒iOS内のCookie有効期限が「最大7日」であるため

もし仮に、『UA』がITPの影響を受けており、正しく効果測定できていないのであれば、
セッション間隔が「8日以上」のデータはCookieがリセットされ、「別ユーザー(新規訪問者)」として集計されるはずです。

つまり、「8日以上のセッション間隔が空いたデータの割合」が「減少」している場合、
「UAはITPの影響を受けており、正しく効果測定できていない」と判断できます。

色々書きましたが、数値を見れば「一目瞭然」ですので、早速、実際のデータをご覧ください。

 

【調査結果】
調査したのは、以下の3社です。

1.高額商品販売の企業様
2.非物販の企業様
3.スポーツ用品販売の企業様

 iOSユーザーのみに絞り込んで、「何日間隔で訪問しているのか?」を集計しました。(※下図参照)

iOSユーザーのみに絞り込んだ調査結果

 

元々、「8日以上のセッション間隔が空いたデータの割合」は全セッションに占める割合としては低く、
例えば企業①では、
・2019年1~3月時点では、「7.6%」だったのですが、
・Cookie規制が最も強化されたとされる2020年9月には「4.2%」、
・2022年1~3月時点では、「0.4%」まで減少しています。(※うす黄色塗りつぶし)

直近1年間の「昨対比での減少率」を見てみると、
「8日以上」の数字は、昨対比で「約8割」も減少している事が分かります。(※赤文字)

2年前と比較すると、
「9割以上」も減少している事が確認できます。(※黄色塗りつぶし)

 

上記それぞれのデータから、

●「ITP」の強化、「iOS」のバージョンアップに伴い、
● セッション間隔が「8日以上」空いたユーザーは「ほぼ全て」Cookieがリセットされ、
●「別ユーザー(新規訪問者)」として集計されてしまっている。という事が分かります。

ゆえに、「UAはITPの影響を受けており、正しい効果測定が出来ていない」と言えます。

 

【追加調査】サイト全体での影響
ここで、追加の調査を行いました。

先述の調査では、ユーザー端末を「iOS」のみに絞って集計しました。
しかし、「ITP」を皮切りに、「Mozilla Firefox」や「Google Chrome」等の各プラットフォームでもCookie規制が強まっているため、サイト全体の影響度合いを調べられるように「ユーザー端末を絞らずに」集計し直してみました。

対象企業は、調査③で紹介した「スポーツ用品販売の企業様」です。(※下図参照)

サイト全体での調査結果

 

iOSユーザーのみに絞った場合と同様に、「8日以上」の数値は、全セッションに占める割合としては低く、
2019年1~3月時点では「14.5%」だったのですが、その後は「13.1%」⇒「7.4%」まで減少しています。(※うす黄色塗りつぶし)

直近1年間の「昨対比での減少率」を見てみると、
「8日以上」の数字は、昨対比で「1~3割」の減少を繰り返している事が分かります。(※赤文字)

「2年前」と比較すると、
「半分程度」に減少している事が確認できます。(※黄色塗りつぶし)

 

上記それぞれのデータから、

● セッション間隔が「8日以上」空いたユーザーの「半数近く」はCookieがリセットされ、
●「別ユーザー(新規訪問者)」として集計されてしまっている。という事が分かります。

ゆえに、「UAはCookie規制の影響を受けており、正しい効果測定が出来ていない」と言えます。

 

【正しい効果測定が出来ないとは?】
「KPIとしての信頼に欠ける(精度が甘い)」というのが結論ですが、代表的な影響としては以下です。

 1) コンバージョン経路・アトリビューション分析が出来ない
 2) ユーザーの新規・既存(リピート)の分類が出来ない

 

1について。
本来、『UA』では「最大50カ月」はCookieを追いかけられる事を発表しています。
しかし、調査結果から、訪問間隔が「8日以上」経過しているユーザーのCookieは正しく測定できない事が確認できました。
よって、ユーザーのリード期間が長く再訪問までに「8日以上」空いてしまうWebサイトでは、「ユーザーが最初に訪問した媒体」を分析したり、「コンバージョンに貢献した媒体」を評価したりする事ができません。

 

2について。
訪問やCVが「初めてか?」「2回目以降か?」という「新規/リピート判定」にもCookieは使われています。
しかし、訪問間隔が「8日以上」経過しているユーザーのCookieを拾えないとなると、例えば、Aさんがサイトで初めて商品を購入した「10日後」に再度同じサイトへ訪問した際に、Aさんが「別ユーザー(新規訪問者)」として判定されてしまいます。

4.【参考】GA4は「クッキーレス」と言うが実態は…

【参考】GA4は「クッキーレス」と言うが実態は…

最後に、『GA4』に関する参考情報をお伝えします。

1章でお伝えしたような「Cookie規制の高まり」を背景に誕生したのが、
最新版のGoogleアナリティクスである『GA4』です。

『GA4』は、「デザイン」だけでなく「計測ポリシー」や「機能」を大幅にアップデートする事で、
「Cookieのない未来のアナリティクス」と言われています。

<計測ポリシーの変化>

バージョン 計測単位 計測方法
UA ページ セッション
GA4 イベント ユーザー

 

しかし、「実際の精度が不明である」という懸念があります。
当メディアでも『GA4』に関する各種設定・測定方法を紹介しており、『GA4』では「最大14カ月」はCookieを追いかけられる事を発表していますが、「実際どれだけ規制の影響を受けているか?」というのは、今のところ不明です。
※アナリティクスヘルプ:データの保持

また、規制により取得できないデータは「AIによりモデリング(数値を補完)する」事で“実数値に近い値”を出している。という事が公式に発表されています。「GA4でさえもCookie規制の影響を受けている」と推測できます。
※アナリティクスヘルプ:[GA4] 推定コンバージョンについて

5.終わりに

終わりに

いかがでしたか?
今回は、2023年7月の廃止が予定されている「ユニバーサルアナリティクス(UA)」での測定結果をもとに、「規制の影響」を調査しました。

記載した内容は、「2022年7月15日現在」での情報です。
GA4はどんどんバージョンアップしていますので、最新情報は「公式サイト」をご確認ください。
※アナリティクスヘルプ

その他GA4に関する情報は当メディアで随時発信していきますので、あわせてご参照ください。
※【初心者でも簡単】GA4の移行・設定方法を4ステップで解説
※【推奨】Googleタグマネージャー(GTM)を活用したGA4の設定方法
※GA4でパラメータを設定し、流入経路を分析する方法
※GA4移行後「すぐに」済ませたい設定8選<GA4の使い方:基本編>
※GA4で「流入経路別」に分析する方法<GA4の使い方:応用編>
※GA4で「ランディングページ別」に分析する方法<GA4の使い方:応用編>
※GA4で「新規購入/リピート購入」を分析する方法<GA4の使い方:応用編>
※GA4で「イベント」「コンバージョン」「eコマース」の計測設定を行う方法

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