Google AIモードとは?最新動向とSEO・広告への影響まとめ【2025年8月速報】 │デジマログ
Google AIモードとは?最新動向とSEO・広告への影響まとめ【2025年8月速報】

Google検索の新機能「AIモード」(AI Mode)。日本でも展開が始まり話題を呼んでいます。本コラムでは、AIモードとは何か?仕組みや従来のAI概要(AI Overview)との違い、SEOや広告、Web・デジタルマーケティング業界への影響について分かりやすく解説します。

【目次】
1.Google AIモードとは?
2.AI概要(AI Overview)との違い・特徴の比較
3.Web・デジタルマーケティング業界への影響
4.AI時代に求められるAI最適化:AIO・LLMO対策
5.Google AIモードについてまとめ

1.Google AIモードとは?

1.Google AIモードとは?

 

【概要】
Google AIモード(AI Mode)とは、2025年5月の「Google I/O 2025」(*1)で発表された新しい検索体験です。
従来の「AI概要」(AI Overview)を拡張した機能として注目を集めています。

2025年8月21日には、日本を含む180以上の国・地域での展開が公式に発表され、大きな話題を呼びました。

ただし筆者の環境(日本国内のアカウントや端末設定)では、現時点でAIモードを直接確認できていません。(*2)

そのため、まずは公式のデモ動画で雰囲気を掴んで頂くのが分かりやすいでしょう。
 → Google AIモードのデモ動画(公式)

 

【機能】
「AIモード」は単なる検索機能ではなく、複数の新しい機能を統合している点が特徴です。

主な機能は以下の通りです。
これらの機能はすべて、最新のGeminiモデルとクエリファンアウト技術(*3)によって実現されています。

● ディープサーチ(Deep Search)
 → 数百のサイトを数分で横断検索し、要約レポートを提示

● サーチライブ(Search Live)
 → カメラで映した対象に対してリアルタイムで質問可能

● エージェント機能
 → ユーザーの代わりに旅行計画や予約などタスクを実行

● パーソナルコンテクスト
 → Gmailやカレンダーと連携し、個人に最適化された回答を提示

● グラフ生成
 → スポーツ・金融などの複雑なデータをインタラクティブに可視化

● AIショッピング体験
 → 商品選びのサポートやバーチャル試着を提供

※Google Blog:検索における AI : 情報を超えた知性へ

 

*1:Google I/Oとは?
毎年5月に開催される開発者向けのカンファレンスです。
Googleの最新技術や研究成果が発表される場であり、検索だけでなく、AI、Android、クラウドなど幅広い分野で新しい取り組みが紹介されます。
 → Google I/O 2025の全体セクション(公式)

 

*2:AIモードの使い方・出し方
アメリカのVPN接続を利用すれば「AIモード」を体験できるケースも報告されていますが、日本国内で確実に再現する方法はまだ定まっていません。
音声検索時やAndroid端末では出やすいという情報もありますが、現状では真偽は不明です。

 

*3:クエリファンアウト(query fan-out)技術とは?
ユーザー入力したクエリを「複数のサブトピック」に分解して、「複数のデータソース」(関連する検索)を同時に実行する技術のことです。
※Google Blog:AI概要の拡張とAIモードの導入

2.AI概要(AI Overview)との違い・特徴の比較

2.AI概要(AI Overview)との違い・特徴の比較

 

Googleが提供してきたAI機能には、すでに「AI概要」(AI Overview)があります。
検索結果の一部にAIによる要約を表示する仕組みで、調べ物の手間を減らすのに役立ってきました。

一方で新たに登場した「AIモード」(AI Mode)は、検索体験そのものをAIに置き換える存在です。

「AI概要」が「検索結果ページの一部」に追加されるのに対し、
「AIモード」では「画面全体」がAIの回答エリアに切り替わります。
そして、対話形式で詳細に調べることまで可能になっています。
 → Google AIモード デモ動画

 

つまり、「AI概要」が「検索体験の補助機能」だとすれば、
「AIモード」は「検索体験そのもの」を再定義する機能と言えるでしょう。

以下に両者の違いをまとめました。

AI概要とAIモードの違い

 

注目すべきは、検索エンジンの大半のシェアを占めるGoogleにおいて、「AIモード」の実装が始まっている点です。(*4)

検索のあり方が根本から変わる可能性を秘めており、
Web業界やデジタルマーケティングにおいて無視できない存在になっています。

 

*4:Google検索のシェア
・PCの場合→日本国内:75.38%、世界:81.09%
・モバイルの場合→日本国内:84.13%、世界:93.88%
※参考:Statcounter Global Stats Search Engine Market Share(2025年8月時点)

3.Web・デジタルマーケティング業界への影響

3.Web・デジタルマーケティング業界への影響

 

Googleによる「AIモード」(AI Mode)の登場は、
検索機能の追加にとどまらず、Web・デジタルマーケティングの常識そのものを揺るがす変化です。

まずはGoogle検索におけるAI機能実装の流れを時系列で整理してみましょう。

・2023年春頃:「SGE」(旧AI概要)が米国や日本で試験運用
・2024年5月:米国で「AI概要」が一般公開
・2024年8月:日本で「AI概要」が一般公開
・2025年3月:Google I/Oで「AIモード」発表
・2025年5月:米国で「AIモード」が一般公開
・2025年8月:日本を含む180カ国で「AIモード」が展開開始

 

この流れを見ると、「AIモード」は数年にわたる試験と改良を経て、いよいよ「検索の中核」に組み込まれ始めていることが分かります。

では、上記の変化を経て、「検索体験」がどのように変わってきたのかを見てみましょう。

 

【従来の検索体験】
ユーザーは検索結果(オーガニック検索)をクリックし、
広告やSEOで誘導されたWebページにアクセスする流れが一般的でした。

↓ ↓ ↓

【AI概要】
「AI概要」が登場すると、ユーザーはまずAIの要約を確認し、
そのうえで必要に応じてWebサイトへアクセスするスタイルが広がりました。

つまり「オーガニック検索 → AI概要 → Web流入」という体験が増えていきました。

↓ ↓ ↓

【AIモード】
そして今回の「AIモード」の登場によって、検索画面全体がAIとの対話に置き換わりました。

ユーザーは追加の質問を投げかけながら、AIとの会話の中で疑問を解決できるため、
結果として「オーガニック検索 → Web流入」という従来型の導線が発生しないケースが増えていきます。

特に「〇〇とは?」「〇〇 意味」などの”情報”検索は、「AIモード」内で回答が完結するようになり、
サイト訪問すら発生しない“ゼロクリック”現象が加速しています。

これはすでに「AI概要」の段階から始まっていた変化ですが、「AIモード」ではさらに強まることが想定されます。

4.AI時代に求められるAI最適化:AIO・LLMO対策

4.AI時代に求められるAI最適化:AIO・LLMO対策

 

AI時代に最も重要になるのが「AI最適化」です。

・AIO(AI Optimization:AI最適化)や
・LLMO(Large Language Model Optimization:言語モデル最適化)と呼ばれる考え方になります。

従来のSEOが「人間にとって読みやすい情報」を重視していたのに対し、
AI最適化では「AIにとって処理しやすい情報構造」に整えることが大前提になります。

言い換えれば、
AIが要約や抽象化を行う際に正しく理解できるよう、情報の粒度や構造を整理しておくことが重要です。

 

【SEOにおけるAI最適化】
これまでのSEOでは、Googleのクローラーがページ全体を読み込み、人間にとって読みやすいかどうかを基準に評価を行っていました。

重要とされたのはE-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性)やキーワード設計、内部リンクや被リンクといった要素です。

一方で「AIモード」が実装されると、情報の「読者」はクローラーではなくAIそのものに置き換わります。

AIは収集した情報を要約・再構成して回答を生成するため、AIが誤解なく処理できるかどうかが問われます。

そのため、冒頭や見出しでポイントを明確に提示する、箇条書きで要点を整理する、HTML構造を正しくマークアップするといった工夫がますます重要になります。

従来のSEOとAI最適化の観点における比較

 

【ECにおけるAI最適化】
ECサイトにおいても同様の変化が起きます。

これまでは人間が画面を見て「分かりやすい」「買いたい」と感じるデザインや導線設計が重視されてきました。
商品画像の見せ方や説明文の工夫、購入ボタンの配置などが代表例です。

しかしAIが商品推薦の起点になる時代では、ユーザーの目に触れる前に「AIが商品情報をどれだけ正確に理解できるか」が勝負になります。

商品価格や説明文、在庫やカテゴリ情報などがデータとして正しく整理されているか、
そして構造化データ(schema.orgやJSON-LD)を用いて検索・AIが読み取りやすい形で登録されているかといった要素がが重要になります。

従来のECとAI最適化の観点における比較

 

本コラムでは各専門用語の解説は割愛しますが、ポイントは、
「人間が理解しやすいか」ではなく「AIが正しく処理できるか」に主軸を移すことだと言えます。

5.Google AIモードについてまとめ

5.Google AIモードについてまとめ

 

いかがでしたか?
今回は、Googleの「AIモード」(AI Mode)について解説しました。

AI時代では、「AIにどう選ばれるか」が成果を左右します。

重要なのは、「AIでできること」だけに目を向けるのではなく、
「AIによって起こる検索体験の変化」と「その影響」を正しく理解することです。

消費者の検索体験が大きく変わる中で、
マーケターや企業には「AIリテラシーの向上」が求められています。

 

さらに見逃せないのが、「AI概要」や「AIモード」における広告実装の動向です。

・2024年10月:米国モバイルでAI概要内に広告掲載を開始
・2025年5月:米国デスクトップにも広告掲載を拡大
・2025年後半:AI概要だけでなくAIモードにも広告を表示予定(※日本での導入は未定)
※Search Engine Land:Google、AIオーバービューとAIモードの広告をデスクトップに拡張(海外サイトなのでブラウザーの翻訳機能の利用を推奨します)

 

これは「広告が検索結果の外に追いやられる」のではなく、「AI応答の中に自然に組み込まれる」方向へ進みつつあることを示しています。

日本でも米国を追う形で実装される可能性が高いため、SEOだけでなく、広告・EC戦略に携わる企業もAIモード関連の情報には継続的にアンテナを張る必要があります。

 

私たちIBFでは、こうした変化に対応するためのeラーニングサービス「Digimy」を提供しています。

● 生成AIの最新動向や代表ツール
● デジマ現場で活躍する主要ツールの特徴やAI活用時のポイント
● デジマ現場(広告クリエイティブ制作/データ分析)で実践する方法など

デジタル・Webマーケティングのeラーニングサービス【Digimy】はこちらをご確認ください。
 → https://www.ecfs.jp/lp/e_learning/

 

1社でも1人でも多くの方の、Web・デジタルマーケティング強化の一助となることを願っております。

最後までお読み頂きありがとうございました。
それでは、また新たなコラムでお会いしましょう!

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