Web広告・デジタル広告の環境は、四半期ごとに大きく変化しています。
「GoogleのCPCは上がっているのか」
「YouTubeのインプレッションは伸びているのか」
「MetaやInstagramのCPMはどう推移しているのか」
「今、広告単価が割安な媒体はどこなのか」
こうした疑問を持つ方へ、本記事では、北米最大級のデジタルマーケティング代理店であるTinuiti社のレポートをもとに、2026年4月時点のWeb広告トレンド・デジタルマーケティングトレンドを整理します。
【目次】
1.前提と総括:Tinuiti社が保有するデータについて
2.Google検索広告トレンド2026年4月版:クリック数は高水準、CPCは横ばい
3.Googleショッピング広告トレンド2026年4月版:P-MAX主軸で堅調維持
4.YouTube広告トレンド2026年4月版:インプレッション増・CPM低下が継続
5.Instagram広告トレンド2026年4月版:リール主軸で表示拡大と単価低下
6.Demand Gen広告トレンド2026年4月版:配信面拡大で露出が急増
7.注意点:GDN・TikTokなど媒体ごとの広告単価推移に差
8.まとめ:デジタル広告トレンド2026年4月版
1.前提と総括:Tinuiti社が保有するデータについて

【前提:なぜTinuiti社のデータを参照するのか?】
デジタル広告のトレンドを語る際、重要なのは「どのデータを見るか」です。
● 北米最大級のデジタルマーケティング代理店
● 四半期ごとに広告媒体別トレンドレポートを公表
● 年間40億ドル($4 billion)超のデジタル広告費データを保有
という特徴を持っています。
現在の為替レート(1ドル=約150円~160円)で換算すると、
6,000億円超えの規模の広告予算データに基づいた分析となります。
一企業・一業界だけの偏った数値ではなく、
Web広告の単価やインプレッション、クリック数、CPC、CPMの推移を把握するうえで、
市場全体の温度感をつかみやすいデータと言えます。
※なお、本記事で扱う数値は日本市場ではなく、
Tinuiti社が管理する北米中心の広告データである点は前提としてご理解ください。
【総括】
本記事では、Tinuiti社が2026年4月に公表した
「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」をもとに解説します。
今期(Q1_2026)、
特に押さえるべきは以下の5点です。
・Google検索/ショッピング:クリック数は高水準、CPCは横ばい
・YouTube:インプレッション増×CPM低下で引き続き強い局面
・Instagram:リール主軸で表示拡大と単価低下が同時進行
・Demand Gen:配信面拡大によりインプレッションが急増
・GDN/TikTok:露出減やCPM上昇など、効率変化に注意
Q1は、
「露出が増えているのに単価が下がる媒体」と、
「露出が伸びない中で単価が上がる媒体」の差が
より鮮明になりました。
つまり、同じ広告予算でも、
媒体選定そのものが成果に直結しやすい局面に入っていると言えます。
2.Google検索広告トレンド2026年4月版:クリック数は高水準、CPCは横ばい

【Google Paid Search(Overall)】
● 前年比:媒体費+14%/クリック+14%/CPC ±0%
● 前Q比:媒体費+1%/クリック+1%/CPC ±0%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
Q1のGoogle検索広告は、
2025_Q4に続いて高水準を維持しています。
Googleのクリック数は前年比+14%としっかり伸びている一方で、
GoogleのCPCは前年比・前Q比ともに横ばいとなっています。
一般的に、広告需要が高まるとCPCは上がりやすくなりますが、
今回のデータでは極端なGoogle CPCの上昇は見られていません。
背景としては、
2025年7月以降のAmazonによるGoogleショッピング広告撤退によって、
検索・ショッピング広告のオークション競争が緩和されたことが挙げられています。
また、AIの普及によって検索クエリ、つまり検索回数そのものが増えている点も、
Googleクリック数の増加に影響していると考えられます。
実際には、テキスト広告のCTRは低下傾向にあります。
しかし、それ以上にインプレッションが増加しているため、
結果としてGoogleのクリック数は増加しています。
つまり今は、
「CTRは下がるが、検索市場そのものが拡大している」局面です。
Google CPC推移を見るうえでは、
単純に単価の上下だけを見るのではなく、
検索回数・インプレッション・クリック数の推移まで合わせて確認することが重要です。
3.Googleショッピング広告トレンド2026年4月版:P-MAX主軸で堅調維持

【Google Shopping(PMax + SSC)】
● 前年比:媒体費+18%/クリック+18%/CPC ±0%
● 前Q比:媒体費+2%/クリック+1%/CPC +1%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
Googleショッピング広告も、
2025_Q4に続いて堅調な推移です。
クリック数は前年比+18%と大きく伸びている一方、
CPCは前年比で横ばい、前Q比でも+1%に留まっています。
Googleショッピング広告においても、
クリック数の伸びに対してCPCが大きく上がっていない点は、
広告主にとって注目すべきポイントです。
現在のショッピング広告枠は、
約7割がP-MAX経由で配信されている構造となっており、
実質的にP-MAXが主軸の配信環境へ変化しています。
P-MAXはショッピング枠だけでなく、
ディスプレイやYouTubeなどの低単価な配信面にも予算を振り分けるため、
全体の平均CPCを押し下げる効果があります。
その結果、
最終的なROAS、つまり費用対効果は安定・改善しやすい構造になっていると考えられます。
Google広告の運用では、
検索広告単体のCPC推移だけでなく、
P-MAXを含めた配信面全体の設計を見直すことが重要です。
4.YouTube広告トレンド2026年4月版:インプレッション増・CPM低下が継続

【YouTube(Standard Video)】
● 前年比:媒体費+20%/インプレッション+52%/CPM −21%
● 前Q比:媒体費+7%/インプレッション+14%/CPM −3%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
Q1のYouTube広告は、
今期の中でも特に分かりやすく強い媒体です。
YouTubeのインプレッションは前年比+52%と大きく増加し、
一方でYouTubeのCPMは前年比−21%と低下しています。
前Q比でも、
インプレッションは+14%、
CPMは−3%となっており、
YouTube CPM推移としては引き続き低下傾向が見られます。
つまり、同じ予算でもより多くの表示回数を獲得しやすい状態です。
この背景には、
TVスクリーン(コネクテッドTV:CTV)経由の視聴増加があります。
現在では、動画広告費の約7割がTV経由となっており、
従来のスマートフォン・PC中心の動画視聴だけでなく、
リビングの大画面でYouTubeを見る行動が広がっています。
さらにYouTubeショートの拡大も加わり、
視聴面の増加がインプレッション拡大とCPM低下を同時に生み出しています。
YouTubeインプレッション推移を見る限り、
2025_Q3、2025_Q4に続いて良い流れが継続しており、
動画施策の主軸として優先度の高い媒体と言えます。
5.Instagram広告トレンド2026年4月版:リール主軸で表示拡大と単価低下

【Instagram】
● 前年比:媒体費+28%/インプレッション+31%/CPM −3%
● 前Q比:媒体費+13%/インプレッション+23%/CPM −10%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
今期のMeta系媒体で特に目立つのは、
Instagramの伸びです。
Instagramのインプレッションは前年比+31%、
前Q比でも+23%と大きく増加しています。
一方で、InstagramのCPMは前年比−3%、
前Q比−10%と低下しています。
媒体費が増えているにもかかわらず、
インプレッションの伸びがそれを上回っているため、
Instagram CPM推移としては効率改善が見られます。
この背景にあるのが、リールです。
Instagramではリールのインプレッションシェアが33%に達し、
フィード(26%)を明確に上回る構造へ変化しています。
低CPMのリール在庫が増加したことで、
Instagram全体の広告単価が押し下げられていると考えられます。
一方で、Meta全体で見ると、
Facebook上のリールはシェアが伸び悩んでいます。
今期は、Instagramのリールが初めてFacebookを上回りました。
つまり、
「Meta広告」と一括りで見るのではなく、
InstagramとFacebookを分けて確認することが重要です。
MetaインプレッションやMeta CPMの推移を見る際も、
Instagram リールの伸びと、
Facebook側のインプレッション・CPM推移を分けて見なければ、
実態を見誤る可能性があります。
特に、Instagramを活用する場合は、
静止画中心ではなく、リールを前提としたクリエイティブ設計が成果に直結しやすい局面です。
6.Demand Gen広告トレンド2026年4月版:配信面拡大で露出が急増

【Google Demand Gen】
● 前年比:媒体費+22%/インプレッション+59%/CPM −23%
● 前Q比:媒体費 −3%/インプレッション+19%/CPM −12%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
Demand Genも、
今期はかなり特徴的な動きを見せています。
媒体費は前Q比で−3%と微減しているにもかかわらず、
インプレッションは+19%と大きく増加しています。
さらにCPMは前Q比−12%、
前年比でも−23%と低下しています。
つまり、Demand Genは、
予算を大きく増やさなくても露出を伸ばしやすい状態にあります。
この急拡大の背景には、
従来のVideo Action CampaignからDemand Genへの自動移行が進んだ影響があります。
現在では配信の大半が動画インプレッションとなっており、
YouTubeなどを横断した露出拡大が加速しています。
Demand Genは、
検索広告のような顕在層向けの刈り取り施策というよりも、
認知〜比較検討フェーズの接点創出として重要性が増している媒体です。
今後のWebマーケティングトレンドとしても、
検索広告だけでなく、
動画・ディスプレイ・フィード面を横断した接点設計がより重要になると考えられます。
7.注意点:GDN・TikTokなど媒体ごとの広告単価推移に差

Q1_2026では、
良い意味で伸びている媒体がある一方で、
注意が必要な媒体も見られます。
【GDN】
● 前年比:媒体費+10%/インプレッション −22%/CPM +41%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
GDNは、
媒体費が前年比で増加している一方、
インプレッションは減少し、
CPMは大きく上昇しています。
これは、
ディスプレイ在庫がP-MAXやDemand Genに吸収され、
従来のGDN単体では在庫が取りづらくなっている可能性が指摘されています。
Web広告単価の推移を見るうえでは、
単純に「ディスプレイ広告は安い」と捉えるのではなく、
配信面の構造変化まで含めて確認する必要があります。
【TikTok】
● 前年比:媒体費+14%/インプレッション+2%/CPM +11%

※「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」より引用
TikTokも、
媒体費が増えている一方で、
インプレッションの伸びは限定的です。
CPMは前年比+11%となっており、
広告単価の上昇が見られます。
2025年には、米国市場で「TikTok禁止法案」などの影響により、
一時的に出稿を控える動きがありました。
しかし、その懸念が落ち着いたことで広告需要が戻り、
広告主の出稿回帰によって再び競争が強まったと考えられます。
8.まとめ:デジタル広告トレンド2026年4月版

いかがでしたか?
今回は、北米最大級のデジタルマーケティング代理店であるTinuiti社が公表した
「Tinuiti_Q1_2026_Digital_Ads_Benchmark_Report」をもとに、
2026年4月現在の最新のWeb広告・デジタルマーケティングの全体像を整理しました。
Q1_2026は、以下の構図が明確になりました。
・Google検索/ショッピング:クリック数は高水準、CPCは横ばい
・YouTube:インプレッション増×CPM低下で最有力
・Instagram:リール主軸で表示拡大と単価低下
・Demand Gen:露出拡大型の選択肢として台頭
・GDN/TikTok:CPM上昇など広告単価の変化に注意
※各数値はTinuiti社保有の「海外データ」に基づく内容ですが、
国内でも参考となる示唆が含まれています。
特に重要なのは、
「今どこが伸ばしやすいか」だけでなく、
「どこが割高になってきたか」を把握することです。
Google CPC推移、
YouTube CPM推移、
Meta CPM推移、
Facebook CPM推移、
Instagram CPM推移などを四半期ごとに確認することで、
媒体ごとの効率変化が見えやすくなります。
また、
Googleクリック数推移、
YouTubeインプレッション推移、
Metaインプレッション推移、
Facebookインプレッション推移、
Instagramインプレッション推移を見ることで、
単価だけでは分からない市場の拡大・縮小も把握できます。
Web広告の単価は、媒体ごとに同じ方向へ動くわけではありません。
露出が増え、単価が下がっている媒体もあれば、
露出が伸びず、単価だけが上がっている媒体もあります。
そのため、短期ROIを高めるには、
媒体特性と数値の両方を踏まえた配分設計が重要です。
もし、デジタル広告・Webマーケティングに関して、
以下のようなご相談がございましたら、
お気軽にご連絡いただけますと幸いです。
「既存媒体の運用を見直したい」
「動画広告やリール活用を強化したい」
「媒体ごとの広告単価や成果を整理したい」
「Web広告の予算配分を見直したい」
お問い合わせフォームはこちらです。
https://www.ecfs.jp/contact_form/
それでは、また別のコラムでお会いしましょう。