【無料画像生成AI】Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)とは?商用利用は?使い方を分かりやすく解説 │デジマログ
【無料画像生成AI】Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)とは?商用利用は?使い方を分かりやすく解説

Googleの無料画像生成AI・編集機能『Nano Banana』(ナノ バナナ)が、注目を集めています。本コラムでは、『Nano Banana』とは何か?従来の画像生成AIとの違いや特徴、ECサイトやデジマの現場における活用法、利用時の注意点とコツまでを分かりやすく解説します。

 

【目次】
1.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)とは?
2.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)の特徴・できること
3.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)の使い方
4.ECサイト・デジマ現場における活用シーン・事例
5.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)利用時の注意点・コツ
6.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)についてまとめ

1.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)とは?

1.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)とは?

 

 『Nano Banana』(ナノ・バナナ)とは、Googleが2025年8月末に公開した最新の無料画像生成AIです。

正式名称は『Gemini 2.5 Flash Image』ですが、発表前から『Nano Banana』というコードネームで世界的に話題となり、現在もこの愛称が広く使われています。

AI業界で大きな注目を集めたのは、研究者や開発者が最先端モデルを試験的に公開する場『LMArena』(エルエムアリーナ)での出来事でした。

ここでは正式名称を伏せ、コードネームのみでリリースすることで、ユーザーの反応を観測する慣習があります。

その中で『Nano Banana』は驚くほど高性能な画像編集が可能で、短期間のうちに「次のGoogle製モデルではないか」と憶測を呼びました。(※下図参照)

Introducing Gemini 2.5 Flash Image, our state-of-the-art image model

※Google for Developers:Introducing Gemini 2.5 Flash Image, our state-of-the-art image model

 

<補足>
実際に、Google自身もリリース前に「バナナ」関連の投稿で”匂わせ”するなど、
あえてコードネームを宣伝に活用していました。
マーケティング戦略としても巧妙で、この名称が強く浸透した理由の一つと言えます。

少し前は、この手の手法が上手なGoogleさんでしたが、久しぶりにGoogleっぽいですね。
※GoogleのAI事業の責任者のひとり、ローガン・キルパトリック氏のXでの投稿

2.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)の特徴・できること

2.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)の特徴・できること

 

『Nano Banana』の特徴は、大きく3点に集約されます。

① 単語レベルの指示で操作できる直感性
② 処理速度の速さ
③ 一貫性の高さ

 

【① 単語レベルの指示で操作できる直感性】
例えば「髪色を金髪に」「Tシャツをパーカーに」といった簡単な指示を日本語で入力するだけで、的確に画像を生成・編集できます。

従来の画像生成AIでは、複雑なプロンプト設計や英語での入力が必要でしたが、『Nano Banana』ではその手間が大きく削減されます。(※下図参照)

「髪色を金髪に」「Tシャツをパーカーに」

 

【② 処理速度の速さ】
従来の画像生成AIでは、1枚あたり数十秒から1分以上かかることも珍しくありません。

『Nano Banana』は数秒で結果を返すため、ECサイトや広告制作において求められるスピード感を確保できます。

 

【③ 一貫性の高さ】
従来の画像生成では、同じ人物やシーンを修正しても、顔立ちや雰囲気が変わる“ガチャ要素”が課題でした。

『Nano Banana』では、例えば犬と猫が並んだ写真から「猫を削除して」と指示すれば、犬の表情や空間の雰囲気を保ったまま猫だけを自然に消すことができます。(※下図参照)

「猫を削除して」

こうした安定した出力により、商品画像や広告素材の制作でも、一貫性を保った高品質なビジュアルを容易に作成できます。

なお、従来はこのような画像生成や細かな編集を行うには、『Photoshop』や『Canva』などのデザインツールを使いこなす必要がありました。

それが『Nano Banana』の登場によって、誰でも無料で手軽に実現できるようになったのです。

この点もまた、クリエイティブ制作の現場における大きな変化と言えるでしょう。

 

<補足>
生成AIによる出力は「ランダム性が高い」(一貫性が低い)ため、何度も生成を試みて“良い出力を引き出す”という行為が一般的でした。
このような試行を「ガチャを回す」と表現することがありますが、『Nano Banana』はその安定性の高さから、「ガチャを回す」回数が減ったと評されています。

 

3.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)の使い方

3.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)の使い方

 

『Nano Banana』は、Google AI StudioでもGeminiでも利用可能です。
本コラムでは、Geminiでの使い方をご紹介します。

やり方は簡単です。
Geminiにログインして『🍌(バナナアイコン)と画像』ボタンを押し、プロンプトを入力するだけです。(※下図参照)

Geminiにログインして『🍌(バナナアイコン)と画像』ボタンを押し、プロンプトを入力する

 

【使い方①:単純な生成】
まずは、ゼロから新しい画像を生成するケースです。

例えば、「現代的なオフィスの会議室、大きな窓と明るい自然光」というプロンプトを入力すると、数秒で開放的な会議室画像が生成されます。
複雑な指示は不要で、企画書や広告素材の準備にすぐ活用できます。(※下図参照)

「現代的なオフィスの会議室、大きな窓と明るい自然光」というプロンプトを入力

 

【使い方②:画像の変更】
次に、既存の画像に変更を加える例です。

例えば、先ほど生成されたオフィス画像に対し、「このオフィス会議室の壁を白色からウッド調の壁に変えてください」というプロンプト入力すると、シンプルな空間が落ち着いた雰囲気へと変わります。
空間全体の印象を自然に切り替えられるのが特徴です。(※下図参照)

「このオフィス会議室の壁を白色からウッド調の壁に変えてください」というプロンプト入力

 

【使い方③:複数画像の合成】
さらに、複数画像を組み合わせることも可能です。

会議室の写真と人物写真をアップロードし、「人物を会議室の中に立たせてください」というプロンプトを入力すると、撮影なしで、自然な合成画像が完成します。(※下図参照)

会議室の写真と人物写真をアップロードし、「人物を会議室の中に立たせてください」というプロンプトを入力する

4.ECサイト・デジマ現場における活用シーン・事例

4.ECサイト・デジマ現場における活用シーン・事例

 

本章では、ECサイトやデジタルマーケティングにおける実際の運用現場を想定して、
3つの商品ジャンルで『Nano Banana』の活用シーン・事例をご紹介します。

 

【例①:アパレル系のECサイトの場合】
まずはアパレルからです。
白Tシャツを着た男性の写真をアップロードして、「画像A」として覚えさせます。

白Tシャツを着た男性の写真をアップロードして、「画像A」として覚えさせる

 

次に、自社商品のネイビー色のTシャツをアップロードして、「画像B」として覚えさせます。

自社商品のネイビー色のTシャツをアップロードして、「画像B」として覚えさせる

 

そして、「Aの画像に写っている男性の白いTシャツを、Bの画像のネイビー色のロゴ入りTシャツに変更してください」というプロンプトを入力します。

するとこのように差し替えが行われました。
撮影なしで着用写真を増やすことが可能です。(※下図参照)

「Aの画像に写っている男性の白いTシャツを、Bの画像のネイビー色のロゴ入りTシャツに変更してください」というプロンプトを入力

 

【例②:コスメ・美容品系のECサイトの場合】
次に美容品の場合を見てみましょう。
化粧水を使う女性の写真をアップロードして、「画像C」として覚えさせます。

化粧水を使う女性の写真をアップロードして、「画像C」として覚えさせる

 

次に、自社商品の水色の容器の化粧水をアップロードして、「画像D」として覚えさせます。

自社商品の水色の容器の化粧水をアップロードして、「画像D」として覚えさせる

 

そして、「Cの画像で女性が使用している化粧水を、Dの画像の化粧水(ロゴ入りの水色ボトル)に置き換えて下さい」というプロンプトを入力します。

するとこのように、自社商品を使った自然なシーンに変わりました。(※下図参照)

「Cの画像で女性が使用している化粧水を、Dの画像の化粧水(ロゴ入りの水色ボトル)に置き換えて下さい」というプロンプトを入力

 

【例③:スポーツ・アウトドア系のECサイトの場合】
最後はスポーツ・アウトドアの例です。
ランニング中の足元写真をアップロードして「画像E」として覚えさせます。

ランニング中の足元写真をアップロードして「画像E」として覚えさせる

 

次に、自社商品の赤と黒を基調にしたデザインのスニーカーをアップロードして「画像F」として覚えさせます。

自社商品の赤と黒を基調にしたデザインのスニーカーをアップロードして「画像F」として覚えさせる

 

そして、「Eの画像で使用されているランニングシューズ(白色)を、Fの画像のランニングシューズ(ロゴ入りの赤と黒色のシューズ)に置き換えて下さい」というプロンプトを入力します。

するとこのように置き換わりました。
動きのあるシーンも手軽に表現することが可能です。(※下図参照)

「Eの画像で使用されているランニングシューズ(白色)を、Fの画像のランニングシューズ(ロゴ入りの赤と黒色のシューズ)に置き換えて下さい」というプロンプトを入力

 

今回は商品画像の差し替えを中心に紹介しましたが、広告バナーやSNS投稿、季節イベントに合わせた素材制作など、活用の幅はさらに広がります。

特に、以下のような大きなメリットがあるのが魅力的です。

① 撮影コストを削減できる
② 多彩なバリエーションを素早く作れる
③ モデルやシーンの“一貫性”を維持できる

5.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)利用時の注意点・コツ

5.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)利用時の注意点・コツ

 

手軽に画像生成・編集ができ、メリットも多い『Nano Banana』ですが、
利用にあたってはいくつかの注意点があります。

【規約・商用利用】
Google全体の規約として、生成AIによるアウトプット(画像・テキストなど)の利用自体は制限されていません。

しかし、「生成AIの利用に関する責任はユーザー側にある」ことも明記されています。

そのため、万が一、著作権や肖像権などのトラブルが発生した場合、最終的な責任は利用者に帰属する点には注意が必要です。

※Googleポリシーと規約
※生成AIの使用禁止に関するポリシー

 

また、広告素材など「商用利用」を目的とする場合には、利用環境にも注意が必要です。
Googleでは、広告利用や業務上の再配布を行う際は、
『Google Workspace with Gemini』(法人向けGemini)や、
Google Cloudが提供する『Vertex AI』(機械学習の統合プラットフォーム)を利用することを推奨しています。

※Geminiの公式note:Gemini の Nano Banana を使いこなす!プロンプトのコツを紹介

 

【出力のコツ】
複数の画像を同時にアップして一気に合成をすることも可能ですが、
その場合、出力結果が不安定になる傾向があります。

そのため、段階を追って(プロンプトを小分けにして)合成する方が品質が安定します。
※前章においても、画像を個別に記憶させて合成していたのはこのためです

また、アスペクト比(縦横比)が異なる画像同士を合成しようとすると、後からアップした画像サイズに引っ張られて出力され、画像がバグる傾向があります。(※下図参照)

アスペクト比(縦横比)が異なる画像同士を合成しようとすると、後からアップした画像サイズに引っ張られて出力され、画像がバグる傾向がある

 

そのため、複数画像の生成時には、以下のようなコツが必要になります。

① プロンプトで直接「16:9のアスペクト比で作成して」といった指示を出す
② 合成する画像のアスペクト比を統一する
③ アップする画像の順番を変える

 

<補足>
2025年10月時点では、①のような指示を出しても、
結局後からアップした画像にアスペクト比が引っ張られる傾向があります。

そのため、現時点では、②・③による対策が無難です。

※ちなみに、③の対策を用いて、「野球バット」(縦長)をアップした後で、「ビジネスマン」(横長)をアップして合成した場合の画像が以下です。

「野球バット」(縦長)をアップした後で、「ビジネスマン」(横長)をアップして合成した場合の画像

6.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)についてまとめ

6.Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)についてまとめ

 

いかがでしたか?
今回は、Googleが発表した無料の画像生成AI・編集機能の『Nano Banana』(ナノ バナナ)について解説しました。

『Nano Banana』は、Googleが提供する次世代の画像生成・編集AIであり、特にECサイトやデジタルマーケティングの運用現場で大きな価値を持つツールです。

簡単な日本語の指示で自然な差し替えが可能になり、撮影コストを抑えつつ多彩なバリエーションを展開できます。

これまで商品撮影や広告制作に時間やコストを割いてきた企業にとって、『Nano Banana』は業務効率化と表現力強化の両面で大きな可能性を秘めています。

Googleも公式ドキュメントで『Nano Banana』のコツやポイントをまとめていますが、
実際に試してみるとその通りにいかないケースも多々あります。

そのため、皆さまも、実際に『Nano Banana』を触ってみて、
癖やコツを徐々に掴んでいくのが一番良いかと考えます。

Googleの公式ドキュメント
※Gemini API:Gemini を使った画像生成(別名 Nano Banana)

 

私たちIBFでは、AI時代の変化に対応するために、
eラーニングサービス「Digimy」を提供しています。

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 → https://www.ecfs.jp/lp/e_learning/

 

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最後までお読み頂きありがとうございました。
それでは、また新たなコラムでお会いしましょう!

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