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『まだ見ぬ未来の顧客』との関係づくり

 

少し前になりますが、「米グーグル」利用者の追跡制限へ プライバシー保護を強化。

という記事を目にしました。

 

欧州でGDPRが施行されてから、関係する企業はcookie問題など対応に追われています。(弊社もそうですが)

 

具体的な影響は?というと、大雑把に言ってしまうと「プライバシーの保護」という観点から、(デジタルマーケの領域では)これまで実現できていた、ネットユーザーの行動履歴の「保存」や、それらのデータを活用した「追跡」などが出来なくなります。(なっています)

 

事実、弊社でもマーケティング支援において、リタゲリストやアフィリエイト承認の減少など、数%程度ですが発生しています。

 

この他にも、測定など影響を受ける領域は色々と出てくると思いますが、マーケティングの本質は不変なので「心配には及ばない!」という方は多いと思う一方で、様々な角度から考える機会につながった方も多いかと思います。

 

本日は『不変』というテーマで、ここ最近の一部クライアント様で共通している動きを共有したいと思います。様々な角度から考える一助になれば幸いです。

 

 

本記事の概要を整理すると

 

● 顧客の獲得競争による疲弊回避には、欲求が顕在化する前段階でのアプローチが大切。

● 社外に「答え」を求めるだけでなく、社内データから「正解」を「正確」に把握する。

● 疲弊マーケ脱出には「良質なキッカケ・良質な関係」づくりのPDCAも必要。

 

 

 


【目次】

1) 潜在的な欲求へのアプローチ

2) 良質な 「キッカケ」と「関係」づくり

3)【参考】水産会社に勤める「津本さん」が凄い!!


 

 

1) 潜在的な欲求へのアプローチ


 

不思議なことに、数年に1度、同じようなタイミングに同じような取り組みを必要とするプロジェクトが同時に動き出す事があります。

 

そのタイミングが、ここ1年です。

テーマは、消費者の欲求が顕在化する前に、どのような施策に取り組む事ができるのか!?という内容です。

平たく言えば、消費者が「購入・資料請求」と決意した段階の「獲得合戦」は疲弊するので、その前段階から関係を構築し、疲弊マーケ脱却手法を開発しよう!というイメージです。

 

弊社では、マーケティング活動の3軸を意識してデジタルマーケティング支援を提供しているのですが、以下の3番目に該当します。

 

【1】想起集合に属する

【2】欲求が顕在化した顧客とのコミュニケーション

【3】潜在的な欲求を持つ顧客とのコミュニケーション

 

これら3つは個別に存在するのではなく、重なり合い・統合されるイメージなのですが、個々のサイズ感を設定し、条件分岐・細分化して日々のアクションに落とし込む事が重要だと実感しています。

 

今回の記事は、上記の【3】に該当します。

対象顧客の欲求が「潜在的な状態」から「顕在化」する瞬間に的確にアプローチする事ができれば、マーケティング効率が飛躍的に伸びる事は、誰にでも容易に想像できると思います。

シェア争いが激化している「決済プラットフォーム」などは、購買履歴や天気・位置情報などを活用し『購買予測とクリエイティブをAIが!』というようなサービスを立ち上げ、一部成果を出しそうな気もしますが、消費者の「欲しい!」や「買いたい!」をピンポイントで当てる事は、特定のジャンルを除いて、しばらくの間は困難ではないかと思っています。

 

理由は、特定のデータを組み合わせたくらいでは、行動パターンを予測する事は出来ても、人のココロの変化を把握し、知見に変えるのは、容易ではないと思うからです。

 

潜在的な欲求を持つ顧客へのアプローチは、自社の「外」のサービスにアンテナを張る事も大切ですが、自社の「内・中」で出来る範囲の策を考え、行動する事も非常に重要です。

 

では、潜在的な欲求へアプローチを行うには、どうしたらよいのでしょうか?
どのような手法が選択肢として存在するでしょう?

 

自社の「内・中」で、出来る範囲とは、どのような事が考えられるでしょうか?

 

 

 

2) 良質な 「キッカケ」と「関係」づくり


 

潜在的な欲求へアプローチを行うにために、自社「内」で出来る事。

 

まずベースとして持っておきたいのが

自社「内」のデータから「正解」を「正確」に把握する事。(出来る環境構築)

詳細はテーマが異なるので次の機会にしたいと思いますが、例えば運用型広告のPDCAにおいて「成果◎」であっても、事業全体という視点では、前提・付帯条件、背景などを考慮すると「△」というケースは多々あります。

 

何を言いたいのかといいますと、社内のマーケティング関係者間は、特定の手法等で偏った議論を展開するのではなく、『うちの顧客はこうだよね。うちのマーケティングはこうだよね』といった、俯瞰した根拠のある知見・共通認識を持っておく事が重要という点です。

 

これらのベースが存在して初めて「良質なキッカケ」づくりと「良質な関係づくり」の活動が、正しく成果につながっていくと言えます。

 

では、前段が長くなりましたが、具体的な手法を検討する要素を少し考えてみましょう。

 

●良質な「キッカケ」「関係」づくり

 

・良質な「キッカケ」づくりは、良質な「経路」(人)から

類は友を呼ぶ。ではありませが、良質な「キッカケ」は類友だと再認識しています。前述のように、流入経路&クリエイティブによって勝敗が決するケースは少なくありません。それほど流入経路は重要です。CVやLTVに貢献度の高い経路でも、95%以上の人は立ち去っているはずなので、立ち去ってしまう訪問者とのコネクションづくりは必要不可欠ですよね。

 

・良質な「関係」づくりには、良質な「体験」の機会創出を

お試し商品を販売するという話しではなく、消費者の奥底に眠っている真の欲求を明確にし、その目的達成をサポートする「体験」の機会創出(企画)が大切です。その企画が、ビジネスの目的達成に通じる設計を熟慮する事が大切です。

※ イメージ図

 

以上の2軸の構成要素を細分化し、潜在的な欲求へアプローチを行うにために出来る事を検討します。

 

ダイレクトレスポンスマーケにおける、媒体・クリエイティブ・オファーなどのPDCAは、皆さん実施していると思いますが、今後は、良質な「キッカケ」「関係」づくりのPDCAも、セットで運用する事で、疲弊マーケティングから脱出が出来る!と信じて、ただいま自社マーケの他、複数プロジェクトで実施しています。兆候も見えています。

 

本ブログにて、進捗や実証実験の参加募集もしますので、不定期に確認頂けますと幸いです。m(_ _)m

 

 

3)【参考】水産会社に勤める「津本さん」が凄い


 

ここ最近、個人的にお世話になっている「津本式.COM」さん。

クライアントさんとのmtgでも紹介する機会が増えています。(笑)
(だからどうした。という感じですが。)

 

サイトのオーナー津本さんは、宮崎の水産会社に勤務されています。(恐らく ;汗)

Youtubeで惜しげもなくプロとしての「血抜き」の技を公開してくれていました。ある日を境に、製造元さんとタイアップして、超良質な便利商品を販売して下さっています。

広告を利用せず(たぶん!)、「時間」と「数量」の限定販売で、
ほとんどの商品が即完売するほどの人気っぷりです。

 

「津本式.COM」さん、ホントに凄いんです。その凄さを少しご紹介します。

 

凄さ1)「プロのレベル感」が素人にも、スッと伝わる。

 

釣り人なら誰もが興味を抱く「血抜き」の技。

自分で釣った魚は格別に美味しいのですが「血抜き」の技を体得してしまうと、味が比べ物にならないほど数段アップします。この「血抜き」のノウハウを、プロとしてYoutubeで公開して下さっています。

→ ヒラメ編

昔も今も(商品が爆発的に売れる現状)、基本スタンスは変わらず

・「美味しく魚をいただく」ために
・自身が創意工夫して得た「知識」を「魚に関わる人」へ

という想い、そして

・プロとしての「信頼」できる「技」

を確認する事ができます。

 

凄さ2)プロ・玄人のファンネットワーク

 

料理人の方や、ベテランの釣り人、魚に関する玄人がファンです。

→ Facebookでも確認できます。

津本さんの商品を購入した料理人の方が、動画やブログで紹介していたりします。実際に、僕も血抜きの映像を知っていたのですが、商品を販売している事は知らず、釣りの師匠からECサイトを教えてもらいました。

 

凄さ3)商品が凄い!

 

何といっても、やはり商品力です。特に驚いたのが「包丁」。

→ 津本式包丁

津本さんのブログで確認したところ、瞬間的に500セッションがあり、購入できない人が出てしまったそうです。

この商品の「鋭い切れ味」は、ホントに感動しました。魚を捌く時の、微妙なストレスを、これ一本で見事に解決してくれました!(何かの広告みたいですが・・・)

 

プロトタイプなど開発・製造工程もブログで公開されており
「これが欲しかったんだよね。」と潜在意識に埋もっていた欲求が
瞬時に「早く買いたい」に変わります。(笑)

 

釣りに行きたくなってきました。。

 

 

2019年6月5日

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社

宇都